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転位歯とは、理想とする歯列から歯牙が逸脱して生えてくることです。
転位歯が生じると見た目の問題だけでなく、自分で清掃がしにくくなるため、虫歯や歯周病にもかかりやすいです。転位歯が生じないようにするためには永久歯が萌出する前からの対策が重要になります。

転位歯の原因

歯が転位して萌出する原因には、次のような要因が挙げられます。

顎の大きさが小さい

現代の食事は硬いものをあまり咬まなくなったため、柔らかいものが中心となりました。その結果、顎の成長が未発達になることもしばしばあります。
これにより本来できるはずの歯の萌出スペースがなくなり、転位歯が起こる可能性があります。

先天的疾患

生まれつき持っている疾患を先天的疾患と言いますが、これが口腔内に影響すると転位歯が生じる可能性があります。
代表的な例は口蓋裂です。口蓋裂は日本人の中では500人に1人の割合で生じる先天性疾患です。口蓋裂は生まれつき口蓋が裂けていて、口腔と鼻腔が繋がり、摂食障害や発音障害、呼吸障害などの様々な障害が生じます。

親知らずが臼歯部を押してしまう

日本人は顎が小さいため、親知らずがよく横向きに生えてきます。
横向きに生えた親知らずは、その萌出力で臼歯部を押すことがあるため、その力が前歯部や小臼歯部に伝わり、転位歯が生じることがあります。親知らずの抜歯が根本的な解決方法になります。

乳歯の晩期残存

永久歯が正しい時期に萌出しようとした際に、口腔内に先行乳歯が残存すると、永久歯の正しい萌出を阻害します。よって後続永久歯が転位歯として萌出してくることがあります。
永久歯の頭が見えた状態で、先行乳歯が残存している場合は、速やかにかかりつけの歯科医院で乳歯を抜歯してもらうことをお勧めします。

転位歯を生じると起こる問題

転位歯によるリスクには、次のようなものがあります。

噛み合わせが悪くなる

転位歯が生じると上顎の歯と下顎の歯がうまく咬み合わなくなり、食べ物をうまく咬めなくなり、咀嚼障害が起こることがあります。
また咬めなくなる部位が出現することにより、他部位に負担がかかることになり、咬合性外傷を引き起こすこともあります。

見た目が悪くなる

転位歯が生じると歯列のバランスが崩れるため、見た目が悪くなります。特に前歯部で転位歯が生じている場合は笑った際に歯が見えるため、審美障害を引き起こしやすいです。

話しづらくなる

転位歯が舌側または口蓋側に生じた場合、話すときに舌の動きを阻害することがあるため、話しづらくなる場合があります。

虫歯や歯周病になりやすくなる

転位歯が生じると、セルフコントロールが難しくなります。特にデンタルフロスが通しにくい場合は、隣接部から虫歯や歯周病になりやすいです。

まとめ

転位歯は顎骨の成長不足、及び顎骨の幅が足りないため、また先天的な疾患などによって、歯牙が歯列弓の外側、または内側に生えてきてしまう歯牙のことです。
転位歯を引き起こさないためにも、乳歯列期や混合歯列期からしっかりと予防することが大切になってきます。

 

 

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