悪くなったら治療するという繰り返しを卒業して、悪くならないようにするために歯医者さんを利用しませんか?
■ もう二度と悪くならないために(予防歯科)
予防するべき歯の病気は、「むし歯」と「歯周病」です。
まず、むし歯について。
「むし歯の治療をしたからもう大丈夫」と考えている方も多いようですが、それは大きな間違いです。
むし歯の原因として、『治療した場所がまたむし歯になる二次う蝕(むし歯)が一番多い』と言われています。
つまり、手を加える(治療する)ことによってむし歯ができるリスクが高くなるので、そのリスクをコントロールする必要があります。
(むし歯のページもご参照ご覧ください)
次に、歯周病です。
歯周病のページでも示したとおり、歯周病から身を守るためには、ご自宅での毎日の歯みがき(セルフケア)と歯科医院で受ける定期健診(プロケア)が不可欠です。
さらに、20代・30代のうちからきちんと歯周病予防をしておくと、40代・50代…と年齢を重ねた時に大きな差が出てきます。
むし歯と歯周病。このふたつがなければ、お口の中のトラブルは、ほぼゼロです。
一生涯大好きな食べ物を不自由なく食べることができる、健康な歯とお口の状態を手に入れることができます。
「歯医者は痛くなったら、症状が出たら行くところ」と思っている方が多いようですが、本当は「痛くならないように、不具合や症状が出ないように」むし歯と歯周病の予防のために歯科医院があるのです。
私たちは、「予防のために歯医者を利用する」スタイルを提案します!
私たちと一緒に『予防』を始めてみませんか?
■ なぜ予防歯科が必要なの?
もしかしたら、歯医者さんに予防のために通うことがイメージできないかもしれませんので、どんなことをするのか簡単にお話しましょう。
歯医者さんの予防処置を受けに行くと、明るい笑顔の優しい歯科衛生士さんが専用の道具を使ってケアをしてくれます。
歯ブラシでは取れない歯石や歯垢を落として、ピカピカでツルツルの歯にしてくれます。
痛いことはしませんし、キーンというあのドリルのいや~な音も聞こえません。
マッサージをされているような気持ち良さがあるので、思わず眠ってしまうという方もいらっしゃるぐらいです。
プロのケアを受ければ、歯みがきだけでは取り除けない、むし歯や歯周病の原因を根本から取り除くことができます。
実は、歯科医院で仕事をしているプロの私たちであっても、毎日の歯みがきだけでお口の中の汚れや歯垢を100%取り除くことはできません。
ですから、私たちも定期的にお互いのお口の中の状態をチェックして、キレイにクリーニングをしています。
あなたもぜひ『定期的に歯医者さんでケアすること』を習慣にしてください。
歯のお手入れをするために歯医者さんに通うことを習慣にすれば、歯のトラブルとは無縁の生活を送ることができるようになります。
実際のところ、歯医者に行くのは何らかの歯のトラブルに見舞われたときが多いと思います。
そして、治療が終って症状がなくなると通院をやめてしまう方がほとんどではないでしょうか・・・
それは、図に描くとこういうことになります。
縦軸が「健康」、横軸が「時間」です。縦軸が上に行くほど健康で、下に行くほど不健康ということです。
健康になったり不健康になったりするわけですが、図でいうと①地点のすごく「不健康より」のところになってから、初めて歯医者さんを訪れたとします。
そして、歯を治療して②地点の「健康」な状態まで持ち直します。
でも、ここで安心して通院をやめてしまい、歯のケアを怠ってしまう…
特に、歯医者が苦手であればあるほど、ちょっとした不調を感じても我慢したり、先延ばしにしたりして、本当に悪くなりきってしまう③地点まで、歯科医院に行かなくなってしまいます。
この繰り返しをし続けていくと、健康状態のアップダウンがとても激しくなります。
こんな風に、歯を削っては詰め、ひどくなってはまた削って詰めることの繰り返しをしていては、歯はどんどん悪くなってしまいます。
久しぶりに来院いただいた患者さんがまた状態を悪くされていたときほど、私たちにとってツラいときはありません。
また、歯が悪くなるということが、「歯だけの問題ではない」ということをご存知でしょうか?
近年になって研究が進み明らかになってきたことではありますが、歯の病気、特に歯周病と全身疾患とは大きく関係していることが分かってきています。
特に、糖尿病や心疾患、早産(低体重出産)、これらの疾患と歯周病の関係が深いことが分かっています。
また、しっかりかんで食べることによって脳の血流が良くなりますから、歯の数が多い人ほど認知症になりにくいことも分かっています。
あるいは、きちんとかむことはだ液の分泌を促しますが、だ液には殺菌・抗菌作用があり発ガン性物質を抑制する効果があるため、ガンの予防とも無関係とは言えないでしょう。
このことからも分かるように、歯は食べるためだけのものではありません。
あなたの健康を守るための大切な役割を果たしているのです。
ですから、これからは治療が終わって健康な状態になったあとは、その状態を維持するために歯医者さんを利用してください。
かけがえのない、あなたの大切な歯を守っていって欲しいのです。
治療が終わってからも2ヶ月に一度、長くても4ヶ月に一度ぐらいの間隔で、定期的なプロのケアを継続していくことをあなたにもオススメします。
痛くなってから治療のために歯医者さんへ行くのではなくて、健康なときにこそ良い状態を守り続けるために歯医者さんを利用してください。
予防歯科をメインにした歯医者さんとの付き合い方を考えていくことが、より良い歯医者さんとの付き合い方です。
■ 美味しいものをいつまでも美味しく食べて欲しい
私たちがこれほどまでに『予防歯科』に注力するのはなぜなのか?
その理由は、「いつまでも美味しいものを食べて、食事を楽しんで欲しい」と考えているからです。
私たちの人生における楽しみについて考えてみたときに、真っ先に思いつくのは『食べる楽しみ』だと思います。
たとえば、家族みんなで集まる団らんの場には、美味しい食事がつきものですよね。
年齢を重ねていけば、お孫さんと一緒に食事を摂る機会は人生最大の楽しみにもなることでしょう。
そんな場面で「歯が悪いから、孫と同じものは食べられない…」なんてことがあるとしたら、それはとても不幸なことだと思います。
たくさんの人が集まる場所という意味では、お友だちや気の合う仲間と会う機会には食事がつきものですよね。
せっかくみんなで集まってワイワイ楽しい時間を過せるはずなのに、食べられるものが限られているとしたら、食事会に足を運ぶこと自体が憂鬱になってしまうことでしょう。
旅行に行くとしても、その地方の名物である美味しい食べ物というのは楽しみのひとつですよね。
「花より団子」なんて言いますが、風景を楽しむよりも食べ物が楽しみという方も多いことでしょう。
一方で、入れ歯が恥ずかしいからお友だちとの旅行には行けない…という方がいるのも事実です。
極端な話ですが、入院をすることになったとしても、食事の時間だけはちょっとした楽しみと言えるはずです。
このように考えてみれば、歯が悪い人と良い人とを比べたときに、どちらがより『豊かな人生』を送ることができるかは一目瞭然です。
歯やお口を健康な状態で守っていくことは、あなたの人生をより豊かなものにしてくれます。
そして、年齢を重ねれば重ねるほど、その傾向は強くなっていきます。
「今は不自由していない」という方もたくさんいるとは思いますが、「この先も一生不自由しないために」という考え方も大切ではないでしょうか?
何でも不自由なく食べるためには、20本以上の歯が必要です。
今の日本の平均寿命は男性が約80歳、女性が約86歳です。
ただ長生きするだけではなく、年を重ねても「食事は楽しい」と言うことができたら、健康で豊かな生活を送ることができそうだとは思いませんか?
より豊かに生きるために、予防のために歯医者さんを利用する習慣を身につけてください。